プロフィール
年齢:40代目前の30代
居住地:東京都
家族:独居(実家が車で10分くらいの好立地)
職業:小規模会社の経理事務
趣味:

テニス・・・週3前後やります。
旅行・・・国内外結構どこでも一人で行きます。
写真・・・病気になってから、肺に負担の少ない趣味をということで始めました。
※テニスはスポーツそのものが、旅行は飛行機と荷物が、写真はカメラの重さが、それぞれ負担になっていますが、どうにか継続できる道を模索中・・・
発症自覚時期:2010年1月(35歳)
既往症:10代の頃からかなりの月経困難症。子宮筋腫(小さいらしい)。骨盤内の子宮内膜症は無し。

[経過]
●気胸発覚~経過観察(2010年1月~10月:約10ヶ月)
初めて気胸の診断を受けたのは、2010年1月の人間ドックの時でした。ドック終了後医師の呼び出しがあり、「気胸って知ってる?」と聞かれて「桔梗・・・?」と内心思いましたが、空気を読んで言葉を飲み込んだのをよく覚えています(ありがちですね)。それくらい気胸に関しては無知でした。大きなレントゲン写真を土産に渡され、「とにかくゆっくり歩いてください」「夜中苦しくなったら迷わず救急車を呼んでください」「明日以降できるだけ早く呼吸器専門医のいる病院を受診してください」と立て続けに言われ、とりあえず現実感のないまま帰宅しました。
帰宅後調べてみて、びっくり!ドック当日が生理初日だったこと、気胸が右肺だったことから、これはたぶん月経随伴だなと素人ながら確信しました。
翌日、呼吸器内科の看板を出している近所のクリニックを受診、気胸の程度は中程度:ドレーンを入れて脱気をするか迷う程度、入院を勧めますと言われ、またびっくり!実は、この時点での自覚症状がまるでなかったのです。幸か不幸か痛みも息苦しさも、よく分からなかったんですよねぇ…。そんな状況でしたので、入院という選択肢は当然選ばず、自宅療養、経過観察ということにしました。この時点でCTをとりましたが、ブラが見つからず、月経随伴の可能性が濃厚なので継続的に様子を見ましょうということになりました。
以降、一度だけ気胸が確認できない月がありましたが、ほぼ毎月気胸になりました。最初は感じられなかった痛みや息苦しさも、回を重ねるごとに自覚症状が出てきました。かかりつけの婦人科にも相談しましたが、担当医師の知識が浅かったようで「肺に症状が出る人がいるって聞いたことはあるけど、本当にいるんだ・・・大変だねぇ」と眉間に皺を寄せて心配して下さるだけで、実質放置(!)。何も手立てはありませんでした。毎月取っていたレントゲンも、撮るまでもないほどに自覚症状が生じていたので、途中でアホらしくなり止めました。そんなふうにして10ヶ月ほどが過ぎて行きました。

●ホルモン治療
第Ⅰ期~ディナゲスト~(2010年11月~2012年8月:約1年10ヶ月)
私、生理痛が本当に酷いんです。気胸は仕方ないとして、せめて生理痛だけでも緩和したいとの思いから、2010年10月前述の婦人科医師の下で低用量ピルの服用を開始しました。トリキュラーという3相性のピルです。
しかし・・・このピルがいけなかった・・・(-_-;)
いつもなら生理後10日程経てば和らいでくる息苦しさが、いつまでたってもゼーゼーハーハー・・・何だか変?と思い続けている間に月日は流れ、次の生理が到来。結局、肺の大きさが回復しない状態で
再び穴が開いてしまったということだと思うのですが、息が一秒吸えるかどうかという大気胸に陥ってしまいました。
(後で理解したことですが、エストロゲン量が変動する3相性ピルは、この病気には適しません)
自分でもよく分からなくなってしまい、とにかく手持ちのトリキュラーの2シート目に入るべきかどうかを相談したくて婦人科と連絡をとったところ、その日の担当は前述の医師とは異なる別の医師で「僕、この症例を扱ったことのありますよ」と♪
この医師の勧めで、ディナゲストの投薬が始まりました。この頃になると私も多少の知識は付いていましたので、再発率の高さから手術は×、副作用の高さから偽閉経(GnRHアゴニスト系)も×、ディナゲストの副作用も多少気になりましたが、私にとっては現状の中で一番マシな選択肢に思えました。
ディナゲストの副作用で一番つらかったのは、浮腫みでした。朝履いてきたブーツのファスナーが夕方には5cmくらい上がらなくなったりして、最後には縫い目が裂けました(笑)浮腫むくせして胸は萎んでブラジャーはブカブカ・・・。不正出血はダラダラ~。それでも、この2年弱の間はたぶん気胸にはならずに済みました。人によってはディナゲスト服用中に気胸になった方もいるようですが、私は平気だったみたい。

●ホルモン治療
第Ⅱ期~ヤーズ&ルナベル~(2012年9月~2013年8月:約1年)
ディナゲストの服用を開始する時の約束で「最低2年は続けましょう」と言われていて、一応従ってはいましたが、ディナゲストは新薬のため薬価がとにかく高い!たぶん今でも変わってないと思いますが、毎月9,000円弱かかります。閉経までの10年以上を継続していくことを考えると、経済的に相当な負担だという思いが強くなっていました。
浮腫みも辛いし気胸も治まっていたし、そろそろ2年経過・・・ということで、途中で低用量ピルに変えました。初めはヤーズ、その後ルナベルにして、またヤーズに戻したりしました。ピルの通常の服用方法とは異なり、休薬期間を設けない連続服用です。
(ずっと飲んでいるとたまに破綻出血を起こすので、3~4か月に1度くらいは休薬しました)
そんな風にして1年が経とうという頃、甘かったんですね。見事に気胸再発してしまいました(-_-;)
ヤーズ服用中、休薬期間でも何でもない通常の服用中です。8月の炎天下テニスの最中という、今考えると恐ろしい状況下ですが、
今日は何だか背中の凝りが激しいな、息も上がるな、何でだろう?と思いつつ4時間プレーをしてしまい、翌日になっても違和感が消えなかったので、念のため・・・という軽い気持ちでレントゲンを撮ったら、肺が縮んでました。
後で考えてみると、低用量ピル服用中の身体の調子は、不思議なことの連続でした。ヤーズ服用開始後1カ月が経過した頃、まず首が左右上下に動かなくなりました(つまり正面しか見られない)。最初は寝違えたと思い接骨院に通ったりもしましたが、日中少し軽快しても翌朝になると動かなくなり、しまいには鈍器で殴られたような頭痛が後頭部に生じるようになりました。脳神経科でMRIをとっても異常なしで、精神的なものでしょう・・・と。他にも、食いしばりで歯が欠けてマウスピースを作ったり、携帯やテレビの画面が(輝度を最低にしても)眩しく目が開けられなくて緑内障の検査をしたり、首の鍼治療をしたり、と。
後で分かったことですが、横隔膜と首と自律神経は関連性が深いらしく、横隔膜の不調は首や自律神経に出易いのだそうです。
この一年間は、極端に集中力、思考力、記憶力が低下し、老いるということはこういうことなのね…と思い込んでいました。
肝心の気胸ですが、レントゲンをとっていないので正確には分からないのですが、低用量ピル服用開始後、4ヶ月目と11ヶ月目に息苦しかった記憶があり、この期間はじわじわと病気が進行してたのだろうと思います。

●結局は手術・・・~病院選び~(2013年9月~11月)
結局、ホルモン治療中の再発、他に選択肢がないということで、手術を受けることにしました。今まで何とか避けてきた手術でしたが、仕方がないと腹をくくりました。
今まで手術を避けてきた理由の一つに、病院選びの難しさというのがあったと思います。前述のような経緯から、この病気の特徴をよく知らないただの外科医に対し、私が一から説明しなければならないのは絶対避けたいという気持ちが強くありました。(この時点で、かなりの気胸状態で声も出ませんし)ただでさえも再発率が高いと言われている手術ですし、症例実績のある病院を・・・ということで紹介していただいたのが、このページでもちょくちょく出てくる世田谷のT病院です。
9月に検査入院、11月に手術という運びになり、現在に至っています。
病院の感想ですが、率直にいいなと思いました。院内は清潔ですし、病棟全体から『病気を治すぞ!』という雰囲気が感じられました。担当の先生は、年配のK先生は口数こそ少ないですが的確なことを言って下さり頼もしい印象(でも本当はもう少し構ってほしい。笑)、もう一人のお若い方のK先生は些細なことでも丁寧に応対してくださる柔らかい印象です。
また、同じ病気の人とも出会う確率がかなり高いと思います。今まで一人で病気で悩んでいた私にも『病友』と言える友人ができ、大いに励まされました。
手術はごく一般的な胸腔鏡手術で、三か所の傷口、ドレーン一本、最短の入院日数で済みました。切除したのは、横隔膜、胸壁、肺の表面の血腫だそうです。手術は決して気楽なものでもなく勇気もいりますし、術後の痛みも結構あります。
8月の再発以来ホルモン治療ができなくなっていたので、この期間は毎月2回以上気胸を繰り返し、気胸状態からの回復も容易ではないため身体はどんどん弱りました。それでも、今手術を終えてみて、今まで気胸にならなかった時も呼吸が変だったり妙に疲れたりしていたなぁと、元気な時との違いが分かるようになったことは収穫です。前述の自律神経のアンバランスからくる不思議な症状達も相当緩和してきて、気にならない日も増えてきています。
検査後に言われたことですが、病状から推測して罹患後10年くらい経過していると言われました。私自身自覚なく気胸になっていた可能性もありますし、年々悪化する生理痛はこの病気の影響もあったのだろうと思います。潜在的な罹患者数も、きっとすごく多いのではないでしょうか。

●そして現在・・・(2013年12月~)
現在術後2度目の生理が終わりつつあります。再発は免れているようですが、生理期(排卵期も?)の、肺、横隔膜の違和感は存在しています。生理中のレントゲンはセーフでしたが、何となく息苦しいような感じがします(-_-;)

他の婦人科系疾患の治療もあり、ヤーズの服用を再開しました。服用中に再発したヤーズですが、懲りずに服用・・・ちょっと怖いです。
「手術をして良かった」と完全に言い切れるようになるには、もう少し時間をかけて経過を見る必要がありそうですが、費用対効果ということで言えば、高額療養費で手術代が戻ってくることを考えると、高額のホルモン治療を続けるよりも手術の方が、ある程度確実な減退効果が得られ、かえって安上がりかなと思いました。加えて、やはりじわじわ進行する病気ですから、さっさと手術してしまえば術後の違和感も違ったかもしれないなと思ったりもします。
治療の選択はケースバイケースで、身体の状態や閉経までの年齢によっても異なることとは思いますが、もし今私が発覚当時に戻れたら、さっさと手術する・・・かな。なかなかできる決断ではないですけどね(^_^;)

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
大変な病気ですが、お互いに腐らずに頑張りましょう☆